マルチ商法の思い出
2017年、私は大学生であった。
大学といえば,私が持っていたイメージは
勉強、アルバイト、スポーツ、そしてマルチ商法への勧誘だった。
大学に入ったらマルチ商法への勧誘には気をつけないといけないなと思っていた。
私は大学に入り友達もそこそこでき,一年生の終わり頃にとうとうそれがやってきた。
仲良くなった女の子から、「いい話があるの。○○さんもやってみない?」とLINEがきたのであった。
当時はd9クラブというMLMが流行っており,彼女はそれの勧誘をしてきたのである。
d9クラブは集めた金をギャンブルサイトのブックメーカーで運用して、ビットコインで収益金を分配するという商法であった。
d9クラブ(が運用に使っているブックメーカーが)が世界的サッカークラブのバルサに出資してるだのなんだのいかにも胡散臭いものであった。
年利10%を謳ういわゆるhypeというものであった。
確か費用は1口26万円だったような。
私は強くその子を止めたけれども、
話をすればするほど、その子は態度を硬化させ、
ほぼ絶縁状態となった。
後から聞くと、他の友人も勧誘されそのグループにお金を払った後だった。
流れが変わったのは北○道大学の学生が札幌でそのmlmによる詐欺に加担しているとTwitterのtweetで流れ始めた頃であった。
その女の子に勧誘された友人がそれを知り、返金を求めるためにアドバイスを求めてきた。
私はゼミの先生にも相談することを勧め、大学当局にも今,こういう商法流行ってるから学生に注意喚起してくれと頼み込んだ。
結局は彼は返金してもらうことができたのだが、女の子は今までの友人たちとの信用を失い、リストカットをするまで追い込んでしまった。
最終的にはその子とは和解できたけれど、目先の金の話は人をここまで変えてしまうのかと恐ろしく思った。
後から聞いた話だが、その女の子も友達から勧誘されて始めたらしい。
お金に困ってるときに親しい人から誘われたらなかなか断れないよなと思う。
今となっては思うのは
まず一つ目は簡単に金が稼げるという方法を安易に他人に教えるバカがいるか?ということだ。
本当に儲かる話なんて教えてはくれない。
ネズミ講的なビジネスは上流なら儲かるだろうけど、我々のところにそういう話がくる時点ですでにもう下流にいる。
借金だけ抱えさせられて事業者に飛ばれるのがオチである。
二つ目は自己投資?勘違いも甚だしいということだ。
MLMに勧誘してくる事業者は参加者に借金をさせる。
自己投資という名目で。
リスクを負わないと大きな成功は掴めない?
ラットレースから抜け出せない?金持ち父さん貧乏父さんでも読んだのかな?
でもそれはリスクを負うとは言わない。東尋坊から飛び降りると言うのだ。
彼らが羨ましいだろ?とSNSで見せびらかす高級ブランドや高いご飯。
それは彼らの借金からできている。
三つ目はあんたら客観的に見て気持ち悪いよということである。
彼らはMLMに参加した途端にそれ以外にマウントを取る発言が多くなる。
まるで自分たちがすでに金持ちになったかのように振る舞う。
借金まみれなくせに。
実態が伴ってないのにそのように振る舞うから周りから信用されない。
そして友人だろうがお構いなしに勧誘してくる。
なぜならそれが最善であるからだと本気で思い込んでいるからだ。
みんなお金稼げればそれでみんな幸せ。
確かにその通りだ。
養分として勧誘する側にとっては悪意は何もないだろう。
そうやって彼らはお金も信用も無くしていく。
何が一番腹立つかって何者でもない連中がまるで何者かであるかのように振る舞い,自分たち以外のその他を見下すからだ。
まあ結局何が言いたいかというと、
友人2人を騙したおめえら許さねえからな。